旅館向けの予約システムを徹底解説！選び方やおすすめ5選も紹介

日常的に悩みの多い、旅館の予約受付。
旅館運営をスムーズにするには、予約業務をミスなく効率化することがカギだと言えます。

業務効率が改善されることで、顧客満足度や集客力のアップなど様々なメリットがもたらされます。

経営戦略の立案の基礎となるデータと時間を与えてくれることさえあります。
このコラムでは、旅館の予約や顧客管理が便利になる予約システムについて、おすすめのシステムも挙げて解説していきます。

旅館の予約によくある困りごと

旅館の運営において予約受付は基本的な業務ですが、いろいろな悩みも日常的に生まれやすいと言えます。

• 予約ミスが発生しやすい
• アナログで管理しているためスタッフに負担がかかる
• 集客が伸びない
• 新しい戦略を考える時間を作れない

旅館の予約にまつわる困りごとを解説しますので、当てはまるものがないか確認してみましょう。

予約ミスが発生しやすい

予約受付を電話やメールのみで行っている場合、聞き間違いや書き間違いのヒューマンエラーは多くの旅館で発生しがち。

通常の場合スタッフは予約受付だけを担当するのでなく、他の業務と並行して行っているので、このようなミスはどうしても起きてしまうものです。
もちろん人手不足の場合は、より影響が強くなります。

また、日程の変更があった際には、予約情報を変更し忘れるなどによってダブルブッキングを招くこともあります。

判明した時点で他の部屋に振り替えていただくなどの対応ができればまだよいですが繁忙期や、部屋数が元々少ない小規模な旅館ではその提案もできず、お客様からの信用を失いかねません。

アナログで管理しているためスタッフに負担がかかる

旅館では細やかな心配りをしようとするおもてなしの文化が根付いています。
なるべく人力で対応したほうがよいとする意識があるため、旅館の業務は全体的にアナログな手段で行われる傾向にあります。

以下のような管理方法は代表的なアナログの管理方法です。

• Excelファイルで手動更新
• 予約管理ツールで管理しながらもプリントアウトして使用

アナログな方法で業務を進めるのは接客業では必要なシーンも多くありますが、あまりにもシステムの導入が立ち遅れていると、スタッフの業務負担が大きくなってしまいます。

集客が伸びない

旅館の経営では、思うように予約数が増えないというのもよくあるお悩みのひとつでしょう。
要因は様々考えられますが、お客様から気軽に予約を取れないことが関係している場合もあります。

例えば、日中忙しかったり、夜に仕事をしていたりするお客様では、受付時間中に予約の電話をかけられない方も少なくありません。
今では大多数の人がスマホやパソコンで様々なサービスを利用するようになり、インターネット予約の需要も高まっています。

従来のような電話だけの予約受付では、予約システムを導入していて予約の自由度が高い旅館にお客様が流れてしまうでしょう。

また、近年のインバウンド需要の増加により、訪日外国人の旅館利用の意向も高まっています。
時差に対応できなければ予約は受けられませんし、外国語の理解できるスタッフがいなければ対応すら難しいでしょう。

旅館の立地にもよりますが、集客が伸びない場合は訪日外国人の対応もセットで考えるべきです。

新しい戦略を考える時間を作れない

ポストコロナ時代に入り訪日外国人の増加も見られる、昨今の旅館を取り巻く状況の変化にうまく対応するには、新しい経営戦略の導入が不可欠です。

「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」による補助金、「IT導入補助金」などの補助金も用意されています。

補助金を活用すれば、設備をリニューアルしたり人材を確保したりすることが可能ですが、毎日の業務に追われていては、経営の悩みを解決し売上をアップする戦略を立案する時間を確保できません。

予約管理の業務を効率化できれば、戦略の立案に時間をさけるようになるでしょう。

予約システムの導入で得られる、こんな効果

予約システムの導入は、お客様にとって予約が取りやすくなるだけでなく、旅館運営にも様々なメリットをもたらします。

• 予約機会の損失が軽減できる
• 業務の効率化につながる
• 宿泊客の対応に集中できる
• 顧客満足度がアップできる
• 顧客管理がしやすくなる

予約業務の効率化による多業務への好影響は大きいといえるでしょう。

予約機会の損失が軽減できる

電話予約だけでは基本的に営業時間内にしか予約が受け付けられませんが、予約システムを導入すれば24時間いつでも、お客様の都合のよい時間に予約受付が可能です。

スマホやタブレット、パソコンから予約できることは便利なだけでなく、電話口で人と応対するのと比べ心理的ハードルが下がり、お客様にとって予約が気軽にできるようになります。

外国人客のニーズがある観光地の旅館では、時差の問題がまったく関係なくなるだけでなく、国際電話代も気にせず予約できます。

複数言語に対応した予約システムなら、外国人客がスムーズに予約でき、他の外国語対応可の旅館に客が流れるということも少なくなるでしょう。

業務の効率化につながる

予約システムによって予約情報が自動的に記録されるので、スタッフの手によって行われていた作業が大幅に削減され、業務の効率化を促進できるでしょう。

多くの予約システムでは必要に応じて予約完了やリマインドメールなどを自動で送信する設定が可能なので、お客様のサポートにかかる負担も軽減します。

人の手による業務ではミスはどうしても発生するもの。
予約受付の大部分を予約システムが行うことで聞き間違いや書き間違いによる登録ミス、ダブルブッキングがほとんどなくなるため、スタッフの負担も減るでしょう。

予約システムを導入すれば効率的にミスなく業務を進められるうえ、顧客からの信頼も得ることができます。

宿泊客の対応に集中できる

旅館スタッフの主な業務は、お客様と対面して行うおもてなしです。
お客様対応をしている際に予約電話があると、対応を中断する必要が生じ、宿泊客へのサービスが遅れてしまうことになります。

電話なら仕方がないと割り切ってくれるお客様もいますが、クレームや顧客満足度の低下に繋がる可能性も否めません。

予約受付を予約システムに任せてしまうことで、スタッフは宿泊客のおもてなしに集中でき、お客様の満足やリピーターの獲得につながります。

顧客満足度がアップできる

予約システムを導入することにより、お客様はインターネットで手軽に予約ができるようになりストレスが軽減されます。

スマホやパソコンから予約画面で空室状況がひと目で確認できたり、必要に応じて予約の変更やキャンセルもお客様自身の操作だけで行えたりするので、満足度もかなりアップするでしょう。

また、自動蓄積される顧客データを分析すれば、お客様の傾向や好みを把握でき、顧客満足度アップに向けた企画ができます。

例えば、季節限定の料理を用意した限定宿泊プランや、旅館周辺のアクティビティをセットしたイベントを企画するなど、顧客満足度をアップさせ、結果的にリピーターを獲得しやすくなるでしょう。

顧客管理がしやすくなる

予約システムの顧客管理機能を利用すれば、Excelによるアナログ管理に比べて格段に顧客データを活用しやすくなります。

年齢や性別、利用人数、宿泊日数、利用回数、国籍を含めた居住地などでデータを整理することにより、どういう層にどういう面が受けているのかわかりやすくなります。

状況によっては施設のリニューアルにまで含めた経営戦略を立案することが可能になるでしょう。

旅館の予約受付にふさわしい予約システムの機能と選び方

予約システムは機能、使い勝手などシステム提供業者によって様々な特徴があります。
旅館にぴったりな6つ機能をご紹介します。

• 誰でも直感的に操作できるか
• 複数デバイス・複数言語に対応できるか
• 顧客管理機能を装備しているか
• 既存予約システムとの連携が容易か
• 複数施設の管理ができるか
• 機能やセキュリティはコストに見合っているか

重要なのは機能の多さではなく、必要な機能とコストのバランスのため、コストなども考慮し運営する旅館にふさわしいのはどれかを見極めましょう。

誰でも直感的に操作できるか

一見して操作がわかりにくい予約システムでは、せっかく導入してもお客様を取り逃してしまうことにもなりかねません。
外国人客も含めた利用客が直感的に操作できる、扱いやすいデザインであることは第一条件と言えるでしょう。

そのうえで、経営者やスタッフなど旅館側での高い操作性も重要なポイント。
予約システムが一部のスタッフしか使えなかったり使いこなすまでに時間がかかったりすると効率化に繋がりません。

予約確認などの操作がだれでも容易にできるシステムであることが重要です。

複数デバイス・複数言語に対応できるか

昨今ではスマートフォンの操作に慣れ、パソコンをあまり使わないお客様も増えています。
パソコンだけでなくスマホやタブレットからも予約操作しやすいかも、予約システムを選ぶうえで重要なポイントです。

また、旅館の側でも、予約確認などをスマホやタブレットで操作できれば、キーボード操作に慣れていない経営者やスタッフでも容易に扱えます。

そのうえで、外国人客でも操作できるよう多言語対応になっていれば、集客にもいっそう貢献するでしょう。

顧客管理機能を装備しているか

予約システムは多くの場合、利用客の属性を知ることができる顧客管理機能も装備しています。

年齢や性別、宿泊人数、利用時期、海外を含む居住地など、顧客分析が容易にできるかどうかも、システムを選ぶうえで見逃せないポイントです。

また、利用客の好みなどを顧客データに加えておくと、次回以降のアプローチやサービスに活用することができ、リピーターの形成に役立てることもできます。

特に旅館の場合、食事の好みやアレルギー情報の把握はリピーター獲得のために必須といえるでしょう。
次に訪れた際に、言わずとも対応してもらえるとお客様は嬉しいものです。

スタッフのおもてなしが旅館の評価に大きく関わるからこそ、顧客管理の機能は重要といえます。

既存予約システムとの連携が容易か

旅館によっては、既に外部の予約ポータルサイトを利用しているケースもあるでしょう。
知名度の高いポータルサイトを利用することでより多くのお客様に旅館の名前を知ってもらえ、予約数を増加させられます。

しかし、それぞれの予約システムを個別に管理するのでは、手間が増え複雑になってしまいがち。
予約システムの導入前に、既存システムとの連携機能があるかをチェックしておくことをおすすめします。

また、既存のエクセルで管理していた情報を引き継げる機能も重要です。
新しく導入した予約システムに1つひとつ情報を入力する手間がかからないシステムを選びましょう。

複数施設の管理ができるか

ターゲットやコンセプトを変えて複数の旅館を経営している場合は、一括で予約管理できる機能もあると便利です。

運営しているグループ全体の予約情報が把握しやすくなることで、営業状況の分析やお客様へのアプローチなどマーケティング戦略にも活かせます。

複数店舗管理機能がある予約システムはいくつかありますが、旅館ごとに設定ができるかどうかも確認して選びましょう。

機能やセキュリティはコストに見合っているか

予約システムには、予約受付や顧客管理に加えて様々な機能が装備されているものもありますが、導入コストや月額利用料が高く設定されているのが一般的です。

欲張って多機能なものを導入し、コストが経営を圧迫するようなことがあれば本末転倒。
本当に必要な機能か、よく考慮して導入するようにしましょう。

また、旅館の場合海外からのアクセスが増加することが考えられるので、セキュリティ対策が十分かどうかも重要です。

システム提供業者によっては無料試用期間を設定している会社もあるので、導入前にテスト使用してみることもおすすめします。

旅館の予約システムおすすめ5選

旅館におすすめの予約システムをご紹介します。それぞれの特長を把握して、システム選びの参考にしてください。

ResKa

ResKa（レスカ）は株式会社MareSpera（マレスペラ）が提供する、旅館など宿泊業をはじめ様々な業種に対応した予約システムです。

2018年からサービス開始された比較的新しい予約システムで、従来の類似システムにあった様々な問題点を改善しています。

お客様にも旅館スタッフ誰にでも、予約システムの使いやすさを第一に考えたい方に特におすすめです。

直感的でわかりやすい画面デザインで、デバイスに不慣れなお客様やご高齢の方でも操作しやすいでしょう。

レイアウトのカスタマイズもできるので、旅館の特色に合わせたより使いやすい仕様に変えることも可能です。

旅館側にとっては、スタッフを問わず使いやすいことでマネジメントにかかる負担を軽減できます。

機能制限がない無料お試し版が1か月間使用できるので、使いごこちを確認したうえで本格導入することが可能です。

Staysee

Staysee（ステイシー）はステイシー株式会社が提供する、小規模宿泊施設向けの予約システム。

予約管理に加えて客室管理や売上分析のツールも利用したい方におすすめです。

清掃状況を確認できる客室管理機能も装備されているので、客室が多い旅館では重宝します。

売上情報はCSV形式で出力可能なので（スタンダードプラン以上）、売れている宿泊プランの調査に使うことができます。
経費管理のツールと合わせれば効果的な経営戦略を立てられるでしょう。

初期費用は無料、スタンダードプランは1ヵ月無料で試すことができます。

HOTEL SMART

HOTEL SMART（ホテルスマート）はXXX（エイジィ）株式会社が提供する、小規模から大規模旅館まで幅広く対応した宿泊施設向けの予約システムです。
ブランドイメージに合わせた予約画面が選べて、美しさと操作性を兼ね備えた画面デザインが特長。

予約管理から売掛・入金管理などまでサポートする多機能なシステムをお探しの方におすすめです。

初期費用は他の予約システムと比べて高額に設定されていますが、売掛・入金管理、自動料金科目仕訳など、予約受付以外の管理機能が豊富に用意されています。

他には、複数の外部予約システムと連携できる機能や部屋管理機能などがあり、旅館をトータルでサポートしてくれるでしょう。

FRONT SYSTEM スマート

FRONT SYSTEM スマート（フロントシステムスマート）は新日本コンピュータサービス株式会社が提供する、ホテル・旅館向けの予約システムです。

特に導入初心者に配慮したシステムなのが特長で、ソフトに加えて必要ならパソコン＋プリンタの必要ハード一式がリース提供されます。

パソコンやプリンタなどハードウェアも一括して導入したい方におすすめです。

導入から半年は無料でインストラクターによる基本操作指導が受けられるので、操作で困ることもないでしょう。

Goope

Goope（グーペ）はGMOグループのGMOペパボ株式会社が提供する、多業種向けの予約システムです。
37種類の無料テンプレートが用意されていて、詳しい知識がなくても予約機能付きホームページが最短1日で完成。

予約機能を備えた旅館ホームページの形で運用を始めたい方におすすめです。
ホームページの運用で困ったときには、AIチャットによるサポートが24時間体制で受けられる安心感もあります。

予約機能以外では、X（旧Twitter）、LINE、Facebook、Instagramの各SNSとも連携するので、お客様にイベント情報などを手軽に伝えることが可能。
また、アクセス解析やGoogleマップの活用ができ、お客様の行動分析などに役立ちます。

まとめ

予約システムは旅館の予約につきものの悩みを解消してくれるだけでなく、顧客の分析など経営にも大いに役立ちます。

旅館に予約システムを導入するにあたっては、お客様はもちろん、経営者自身やスタッフにも使いやすいことが非常に重要です。

コストも考慮し必要な機能やセキュリティ面もよく見極めて、ぴったりのシステムを選ぶようおすすめします。