予約管理システムは、業務の効率化だけでなく、顧客管理やマーケティングにも欠かせないビジネスツールです。
しかし、無料のものから多機能タイプまで種類が多いため、どれが自社に合うのか迷う方も多いのではないでしょうか。
当サイトでは、予約管理システムのアプリやソフトを比較し、初めての導入や乗り換えで失敗しないための選び方を解説します。
予約管理システムとは?|特徴と種類
予約管理システムとは、店舗運営やサービス業において、顧客の予約受付・管理を行うシステムです。
ホームページからの予約はもちろん、電話やSNS、店頭での問い合わせまで一括で管理できるため、業務の手間を大幅に削減できます。
最近では、24時間365日対応が可能なクラウド型が増えており、決済機能やメール配信、顧客管理機能など便利な機能が搭載されています。
予約の効率化だけでなく、顧客のアフターフォローやリピーター獲得など、様々な用途に活用できることが特徴です。
予約業務を効率化するクラウド型サービスが主流
現在では、インターネット上で管理できるクラウド型のサービスが主流になり、パソコンやスマホからいつでもアクセスできる環境が整っています。
従来の予約管理では、紙の台帳やエクセルを使った管理が一般的で、企業によっては独自開発のシステムを導入していました。
しかし、独自開発の予約システムは、開発や運用コストが高額になるため、気軽に導入できるものではありません。
クラウド型の予約システムの普及により、個人経営や小規模の事業者でも導入のハードルが低くなり、誰でも気軽に活用できるようになっています。
クラウド型予約システムの主な種類
クラウド型の予約システムの代表的なタイプは、以下のとおりです。
- 無料プランありタイプ/有料プランのみタイプ
- 業種特化型/汎用型
一概に「このタイプが良い!」とはいえないため、店舗の業態や業種に合ったものを選ぶことが重要です。
無料プランありタイプ/有料プランのみタイプ
予約システムには、無料で利用できるプランもあるタイプと、月額料金が発生するプランのみで構成されるタイプに分かれます。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
種類 |
特徴 |
おすすめの人・企業 |
無料プランあり
|
・無料プランで基本的な機能を試せる
・使用感を確認できる
・気に入ればそのまま有料プランに切り替え可能
・低リスクで導入できるのが強み |
・小規模事業や個人店舗
・無料で試してから有料化を検討したい
・予算を抑えてスタートしたい
・業務フローとの相性を見極めたい |
有料プランのみ |
・機能が豊富で高度な管理が可能
・サポートやセキュリティ体制が整っており安定運用に向いている
・成長に応じたプラン拡張も柔軟 |
・中〜大規模店舗で予約件数やスタッフ数が多い
・本格的な業務効率化を重視する
・サポート体制や信頼性を重要視する |
無料プランの代わりに、無料お試し期間を設ける予約システムもあります。
いずれにしても、使用感を確認できるため、店舗に必要な予約システムの見極めがしやすくなるでしょう。
業種特化型/汎用型
以下のように、予約システムは特定の業種・業務に特化したタイプと、幅広い業種や用途に対応できる汎用型にも分けられます。
種類 |
特徴 |
おすすめの人・企業 |
業種特化型 |
・業界特有の業務フローを考慮した設計
・同業の事例や実績が豊富で安心感がある |
・明確な業種特化ニーズがある
・特定業種で長く運営している
・業界ならではの悩みにも対応した予約システムが欲しい |
汎用型 |
・幅広い業種や業態に対応できる
・機能が一般化されていて操作がわかりやすく |
・複数のビジネスを展開している
・シンプルで柔軟なシステムを使いたい |
美容室ならサロン特化型予約システムのほうが良いと思うかもしれませんが、機能が多くて使いこなせないstrong>というケースもあります。
機能が多くなるほど、運用方法も複雑になりがちのため、注意して選びましょう。
予約システムのメリット
予約システムが持つ数あるメリットの中でも、特に高く評価されているのは以下のポイントです。
- 一元管理によって業務効率が上がる
- 業務時間に限らず受付できるので、予約の取りこぼしがない
- 24時間予約が可能なので顧客にとっても便利
- 予約内容の聞き間違いやダブルブッキングなどのミスを回避できる
- 予約状況をリアルタイムで確認できる
- 電話やメールなど異なる方法の予約データを一元化できる
- 決済に関するトラブルを回避できる
- 顧客データをマーケティングに活用できる
予約システムは単なる予約受付のツールにとどまらず、業務の効率化や顧客の満足度向上、売上アップなど、ビジネス全体の質の向上につながるものです。
さらメリット・デメリットに関しては以下でも詳しく解説しています。
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さまざまな業界で導入されている予約システム。オンラインで一元管理することで業務効率化が図れ、管理者・予約者双方にたくさんのメリットがあります。ここでは予約システムのメリットをはじめとして、デメリット、システムの選び方を解説します。
予約システムでできること|主な機能
クラウド型予約システムに搭載されている主な機能は以下のとおりです。
- 予約管理機能
- 予約変更機能
- 顧客管理機能
- 決済機能
- メール機能
- マーケティング機能
それぞれのメリットについて具体的に解説します。
予約管理機能
オンラインでの予約受付はもちろん、電話予約や店舗での直接受付なども一元管理できます。
予約の空き状況がリアルタイムで反映されるため、ダブルブッキングや予約漏れなどのミスを防げるのがメリットです。
また、店舗スタッフはパソコンやスマホでいつでも情報を確認できるため、シフトの共有や業務分担もスムーズになります。
予約変更機能
顧客自身がオンラインで予約の変更やキャンセルを行えると、運営側の手間を省きスムーズにスケジュール調整ができます。
特に、個人事業主やスタッフが少ない店舗にとって、問い合わせ対応に手が回らないという事態を防げるのは大きなメリットです。
変更確認メールやリマインドメール機能と合わせて活用することで、無断キャンセルの防止にもつながるでしょう。
顧客管理機能
顧客の名前、住所、性別といった基本情報から、利用履歴やサービス内容などのデータも一元管理できます。
例えば、飲食店であれば顧客の注文履歴やアレルギー情報を記録しておくことで、次回来店時のサービスの向上やリピーター獲得につながるでしょう。
トレーニングジムやスクールの運営においては、レッスンの進捗管理や来店頻度の把握に活用でき、よりパーソナルな対応が可能になります。
決済機能
キャッシュレス決済や事前決済に対応している予約システムは、顧客の利便性が大きく向上します。
店舗側も、現金管理の手間を軽減したり、キャンセル時の返金対応をスムーズにしたりと、業務効率化にもつながります。
システムによっては、サブスクリプション型の月額支払いや、各種キャッシュレス決済サービスとの連携など、幅広い支払方法に対応可能です。
メール機能
予約を受け付けた顧客に対して、確認メールやリマインドメールを自動で送信できる機能は、予約の日程ミスや、当日キャンセルの防止に効果的です。
さらに、来店後にお礼メールや再来店を促すメールを送ることで、顧客との関係性を保つことができ、リピーター率アップにもつながります。
マーケティング機能
顧客データや予約データをもとに、集計と分析を行う機能を搭載しているシステムも増えています。
予約システムを通じて蓄積される様々なデータを活用することで、数値に基づいた効果的なマーケティング施策に活かせます。
例えば、リピーター向けのクーポンの発行やポイント付与などを行ったり、休眠顧客へのDMを送信したりすることで、経営改善にも効果的です。
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導入・乗り換え時に失敗しない予約システムの選び方
予約システムを選ぶ際は、以下の5つを意識しましょう。
- 提供するサービス内容・業種に合っているか
- 顧客層のニーズと合っているか
- 予約機能の充実度
- 顧客管理機能の利便性
- 費用対効果が高いか
すでに予約システムを導入している場合でも、使っていくうちに機能面や使い勝手が不十分に感じることは少なくありません。
そんなときには、より自社に合った予約システムへの乗り換えを検討するのもおすすめです。
初めて導入する方にも、他のシステムからの乗り換えを検討している方にも共通して確認しておきたいポイントをご紹介します。
提供するサービス内容・業種に合っているか
自社が提供するサービス内容や業種と、予約システムの機能や使い勝手が適しているかが重要です。
例えば、グルメサイトからの予約も受け付けしているなら連携ができるシステムがあると、予約管理が圧倒的に楽になります。
施術メニューが多い美容室やサロンであれば、予約時のスタッフ指名やオプション追加機能などがあると便利です。
スタッフが多い歯科や整体などでは、施術メニューごとの所要時間や施術室ごとのスケジュール管理といった細かい条件を設定できる機能があると、より業務効率がアップするでしょう。
このように、業種ごとに適した機能は異なるため、多機能であることが必ずしもメリットとは限りません。
逆に、業務を行う上で必要な機能が十分でないと、アナログでの作業が発生してしまうため逆効果になるでしょう。
予約システムのメリットを最大限に生かすためにも、自社にとってどのような機能が必要なのかを事前に見極めることがポイントです。
顧客層のニーズと合っているか
検討する予約システムが、顧客層のニーズと合っているかを見極めることも大切です。
顧客がストレスなく行える予約方法を検討して、予約システムを選びましょう。
具体的には、若年層が多く利用するサービスの場合は、LINEやInstagramなどのSNSと連携して予約できるシステムがあるとスムーズです。
この場合、顧客が手軽に予約できるだけでなく、シェアや口コミによって新規顧客の増加も期待できます。
一方で、年配の顧客が多い医療系などのサービスでは、できるだけ少ない操作で予約が取れる設計のものや、電話予約も一元管理できるタイプが便利です。
企業側の使い勝手だけでなく、顧客に寄り添ったシステムを検討することで、よりクオリティの高いサービスが提供できるでしょう。
予約機能の充実度
予約機能そのものの使いやすさや充実度も、自社に適しているか必ず確認しておきましょう。
特に、定期予約の対応やスタッフ指名機能、キャンセル待ち設定など、日常業務に必要な機能が揃っていることで、作業量の軽減や顧客満足度の向上につながります。
また、本格的に導入する前に、無料プランやトライアル期間などを活用して実際の使い勝手を試しておくと安心です。
無料で利用可能な予約管理システムはこちらでも確認できます。
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無料利用可能な予約システムを徹底比較!導入前にお試しは必須
予約業務を効率的に行うためには、予約システムの導入が必須と言えます。しかし、システム導入の経験がない方がいきなり有料サービスを利用することはおすすめできません。まずは複数のシステムを無料で試してみて、自社に最適なシステムを見つけましょう。
顧客管理機能の利便性
リピーターが重要な業態や、マーケティングを強化したい場合には、顧客管理機能の利便性も見逃せないポイントです。
多くの予約システムでは、顧客の氏名や連絡先といった基本情報に加え、過去の予約履歴や利用サービスなどのデータを自動で保存できますが、情報管理方法はシステムによって異なります。
顧客情報を細かく管理できるとターゲット層の分析もしやすくなり、自社の戦略に合ったマーケティングに活かせるでしょう。
顧客をタイプ別に分類したアプローチや、個々の対応をしっかり行いたい場合には、タグ分けやメモ機能があることで属性ごとのメール配信が可能になり、より的確でパーソナライズされたアプローチができます。
費用対効果が高いか
予約システムには、無料で利用できるものから初期費用・月額費用がかかるものまで様々なタイプが存在します。
個人事業や小規模店舗であれば、最低限の機能が揃った無料プランでも十分に活用可能。
顧客数や会員数が増えてきたら、段階的により多くの機能が利用できる有料プランに移行できるシステムを選ぶのもひとつの方法です。
また、今は規模が小さくても、将来的にサービスの幅を広げることを検討している方や、複数店舗を展開したいと考えている方は、拡張性の高いシステムを選んでおくのがおすすめです。
変化に応じて柔軟に機能を追加できるので、顧客とスタッフの双方にとってスムーズなアップグレードが可能になります。
本当にニーズに合ってる?予約システム見直しの5つのサイン
ニーズに合っていないかもしれないと感じたら、以下の5つのサインがないか確認してください。
- ユーザーからの意見や不満を耳にしたとき
- 決済システムをアップデートしたいとき
- 事業規模が拡大したとき
- セキュリティ面に不安があるとき
- コストが見合わないと感じたとき
すでに予約システムを導入しているものの、使っていくうちに機能面が不十分に感じる場合もあるでしょう。
特に、事業が成長して顧客数やスタッフ数が増えてきたときには、以前と同じシステムやプランでは業務の非効率化につながっているケースもあります。
使用している予約システムを見直して、より使い勝手のよいシステムへの乗り換えを検討するのがおすすめです。
ユーザーからの意見や不満を耳にしたとき
最も見逃せない予約システム切り替えのサインは、顧客からの声です。
「予約しづらい」といった直接的なものから、「キャンセル方法を教えてほしい」といった問い合わせが増えている場合など、ちょっとした不便さが口コミやリピート率に影響を与えている可能性があります。
もし、複数の顧客から同じような意見を耳にする場合は、操作性に問題があるか、顧客層とUI設計が合致していない可能性が高く、システム自体を見直すタイミングかもしれません。
スタッフは時間とともに慣れてしまうかもしれませんが、顧客にとっては大きなストレスになっていることもあります。
決済システムをアップデートしたいとき
キャッシュレスや事前決済が一般的になってきた現代では、現金決済のみの対応や限定的な支払方法では機会損失につながることがあります。
事前決済ができると、無断キャンセル防止の効果が期待でき、オンライン支払いを導入すれば、キャンセル時の返金作業がスムーズになり、業務の手間も削減可能です。
このように、決済システムのアップデートは顧客にとっても自社にとっても大きなメリットがあるため、不足している機能がある場合は見直しがおすすめです。
事業規模が拡大したとき
個人事業として始めたビジネスでも、続けていくうちに顧客数が増え、規模が拡大することも考えられます。
そのような場合、今のシステムでは使い勝手が悪いと感じる場合もあるでしょう。
例えば、スタッフ数が増えた時にスタッフごとのシフト設定が必要になったり、多店舗での予約状況の一括管理が必要になったりするケースが考えられます。
また、より多くの顧客データを集め、効率よく分析・活用すると、今後の業務内容やサービス内容の改善につなげられるはずです。
事業のフェーズに合わせて予約システムを見直し、必要に応じて上位プランへの移行やシステムの乗り換えをすることでより大きな成長が期待できるでしょう。
セキュリティ面に不安があるとき
予約システムでは、顧客の氏名や連絡先、決済情報などの個人情報を取り扱うため、セキュリティは非常に重要です。
古いシステムや、定期的な更新が行われていないシステムの場合、不正アクセスや情報漏洩などのリスクが高まるため注意が必要です。
また、予約システムやプランによって、SSL・AWS対応の有無やISMSなどの認証を受けているかなど、セキュリティ対策の強度や種類にも差があります。
今一度使用している予約システムのセキュリティ対策をチェックし、安心して顧客対応ができる環境を整えることが大切です。
セキュリティについては、以下の記事でも詳しくまとめています。
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予約システムのセキュリティは?選定ポイントやおすすめ
顧客情報を扱う予約システムはセキュリティレベルの高いものを選びましょう。世界最高レベルの世界最高峰のセキュリティを保持するAWSの利用により、非常に高度なセキュリティレベルを保つ予約システムを選べばセキュリティ対策は安全です。
コストが見合わないと感じたとき
導入当時は機能性を重視して高額なシステムを選んだものの、実際は使っていない機能が多いというケースも少なくありません。
一方で、無料プランで予約業務が行えていたとしても、使い勝手が悪く効率が下がっていたり、他の業務で手間やストレスがかかっていたりする場合もあります。
その場合は、有料プランや上位システムに乗り換えたほうが、結果的に費用対効果が高い可能性もあります。
低価格のシステムだから使いづらい、多機能だから便利というわけではありません。
自社の規模やスタイルを考慮し、使いやすい予約システムを選びましょう。
改めて導入している予約システムの料金と実際に利用している機能を照らし合わせて、自社にとって費用対効果が見合っているかを見直すことが大切です。