シフトの組み方の流れやポイントを徹底解説
シフトの組み方で頭を悩ませてしまう管理者もいるでしょう。
スタッフの人数が増えたり、繁忙期になったりするとシフトの組み方もより難しくなってしまいます。
難しい業務のひとつではありますが、無駄なく人件費を活用し、効率的な運営を行うためにもシフト作成は重要なポイントのひとつです。
本コラムではシフトの組み方の流れや課題、課題解決のためのポイントについて解説しています。
一連のシフトの組み方
まずはシフトを組む際の一般的な流れを解説します。
- 日ごとの必要な人数を算出する
- スタッフから希望を募る
- 希望と必要人数に配慮しながらシフト作成
- 人員の過不足を調整する
飲食店やサロンなどを経営するうえで、重要な業務のひとつであるシフト作成。
シフトの組み方でその日1日の営業が円滑に回るかが決まります。
シフト作成に苦手意識がある人やシフト組みに時間がかかってしまうことが悩みのひとつになっている人は、ぜひ参考にしてみてください。
日ごとの必要な人数を算出する
平日や週末ごとに、売り上げの流れに見合った必要人数を、事前に算出しておきましょう。
お客様の来店数は一定ではありません。
土日祝日と平日は売り上げに差が出たり、1日の流れの中でもピークタイムがあったりします。
人数だけではなくベテランスタッフがいたほうが良い日・時間などを見積もっておく必要があります。
ベストな人数や人員配置ができないと、顧客を待たせたり余計な人件費がかかったりしがちです。
店舗の客の動きについてしっかりと分析して、必要な人数を計算してください。
スタッフから希望を募る
日ごとの必要な人数を算出したら、スタッフの希望を募ります。
人員確保が必要な日や時間があれば、この時点であらかじめ告知しておくと良いでしょう。
スタッフの出勤可能日や時間が固定で無い場合、早めに希望を集められるとシフト作成をスムーズに進められます。
特に大学生・高校生は、試験や長期休暇など、出勤がイレギュラーになりがちです。
スタッフが少ない日に出勤できるかスタッフに声をかけるといった、適切な対処をするためにも、早めに確認しましょう。
希望と必要人数に配慮しながらシフト作成
スタッフから回収したシフト希望をもとに、シフト作成に進みます。
この時点で作成するシフトは、あくまでも仮のものでかまいません。
あらかじめ決めていた日ごとの必要人員をもとに、スタッフの出勤を振り分けていきます。
人員の過不足を調整する
仮のシフトを作成したら、日ごとに出勤しているスタッフのスキルや人数に偏りがないかを確認し調整します。
スタッフの希望に添えない場合には、正式なシフトを作成する前に相談しておきましょう。
月またぎの連勤にならないように、また出勤日数に不平等が出ないように注意してシフトを組むことも大切です。
円滑に営業するために、日ごとだけではなく時間ごとの人員に過不足がないかを確認する必要があります。
店舗で鍵の受け渡しなどが必要な際には、スムーズにできる状態かも確認しましょう。
人員が不足したままの営業はスタッフ間での不満が高まる原因となるだけではなく、お客様対応の質も低下しかねません。
労働基準法に沿った、無理なく営業できる組み方ができているかをチェックしてください。
調整完了後に、問題がなければスタッフへ配布します。
シフトの組み方で抱えやすい課題
シフトの組み方において抱えやすい課題は、以下のとおりです。
- 作成完了までに時間がかかる
- スタッフの希望を叶えるのが難しい
- スタッフへの打診に気を遣う
- 人件費や労働基準法に考慮する必要がある
ほとんどの管理者が通常業務と並行して、シフト作成をしています。
業務上でも負担を抱えているうえに、ほかスタッフへの配慮も必要となるため、シフト作成に苦手意識を抱えている人もいるのではないでしょうか。
効率的なシフト作成を実現するために、まずは課題を明確にしておきましょう。
作成完了までに時間がかかる
スタッフの数が多いほど、シフト作成が完了するまでに時間がかかりがちです。
シフトの作成でさえ手間と時間がかかる上、各スタッフに出勤できないか確認するのは、手間と時間がかかります。
また、スタッフのシフト希望の提出が遅いことも、シフト作成に時間がかかる要因のひとつです。
スタッフへの声かけも手間になるうえ、早く次月のシフトが欲しいスタッフに迷惑をかけてしまいます。
スタッフの希望を叶えるのが難しい
幅広い年代のスタッフを採用していると、シフト希望も多様化してきます。
多様化する働き方のバランスが良ければ問題ありませんが、状況によっては全てのスタッフの希望を叶えることが難しいこともあるでしょう。
平等に対応しないとトラブルの原因やモチベーション低下にもつながりかねません。
一部スタッフばかりが負担を強いられたり、特定スタッフだけが優先的に希望が通ったりする状況は避けるべきものの、考慮してシフトを組むのは大きな負担となってしまいます。
スタッフへの打診に気を遣う
特定の日に休み希望が集中すると、一時的に人手不足に陥り、欠員時間帯の店舗責任者の負担が大きくなってしまう点も課題のひとつです。
スタッフに、プライベートのスケジュール変更が可能かを打診することもあるでしょう。
打診方法にも配慮が必要なため、シフト作成者の精神的負担も増えてしまいます。
慢性的に不足している曜日・時間があるなら、新規でスタッフを雇用することも必要かもしれませんが、人件費が増えると別の負担が大きくなってしまいます。
人件費や労働基準法に考慮する必要がある
スタッフの希望や営業中の業務と平行して、人件費や考慮しながらシフトを組むことも、大きな負担です。
スタッフの希望に沿って適正人員に当てはめることだけが、シフトの組み方のポイントではありません。
売り上げ目標に沿った人員設定となっているか、人件費計画内に収まっているか、労働基準法が守られているかを考慮する必要があります。
特に、労働基準法は正社員・アルバイト問わず、守られているか確認が必要です。
働く時間の上限が定められているため、日ごと・週ごと・月ごとで時間がオーバーしていないか一人ひとり確認するのは、大きな負担と言えます。
シフトの組み方のポイント
先述している課題を解決するために、シフトの組み方のポイントを紹介します。
効率よくシフトを組むためには事前準備や、スタッフとのコミュニケーションもとても大切。
ぜひ次に挙げるポイントを参考にしてみてください。
事前準備を行う
イベントや世間の連休期間などのほかに、閑散期など売り上げの状況は事前に把握しておきましょう。
1日の流れやお客様の流れを読むことは、シフトを組む前の準備として大切なポイントです。
行き当たりばったりではなく、シーズンに応じた基本となるモデルシフトを作成しておくと効率的にシフト作成がしやすくなるでしょう。
スタッフ全員の基本的な出勤契約や人件費なども把握しておくのがおすすめです。
スタッフ間での公平さを保つ
要望の受け入れや勤務時間、有休消化日数などスタッフ間で公平さを保つ必要があります。
シフトにおいてスタッフから不満がでる理由のひとつとして挙げられるのが、平等性です。
例えば、同じ時給で働いているスタッフが複数名いる場合、土日出勤ばかりのスタッフと平日出勤のみスタッフでは、対応するお客様の数に差が出てしまうため不平等感が生まれてしまいます。
公平さを保つために土日出勤の日数に差をつけないようにする、シフト作成時に透明性を出すなどの配慮が必要となります。
それぞれのライフスタイルによって出勤したい日数や時間が変わることをスタッフ間で共有できると、トラブルも軽減できるでしょう。
スタッフのスキルを考慮する
繁忙期や閑散期、1日のお客様の流れを把握することと同じくらい大切なのがスタッフのスキルを考慮した人員配置です。
日によって営業のクオリティに差が出ないように、平均的なスキルを保つ必要があります。
売り上げ目標値の高い日はスキルの高いベテランスタッフの出勤を増やす、閑散期はバランス良く配置しスタッフ育成に力を入れるなどの配慮も必要です。
人員に余裕があればスタッフ同士の人間関係にも配慮したシフトの組み方ができると、トラブル軽減にもつながります。
見やすいシフト作成
出勤スタッフが把握しやすいように、視認性の高いシフトを作成することは重要です。
見づらいシフトは把握ミスにもつながりかねません。
文字の大きさや使用するフォントにも配慮して作成する必要があります。
色分けをするとより見やすくなりますが、使用する色が多くなると逆に見づらくなってしまうため、使用するカラーは3~4色に留めておきましょう。
シフトは早めに作成する
毎回ぎりぎりまでシフトが配布されないと、スタッフのフラストレーションも溜まりやすくなります。
プライベートのスケジュールも組みにくくなるため、「希望を多めに出しておこう」と考えるスタッフも増えてくるかもしれません。
希望が増えてくるとシフト作成にも支障が出てしまうため、組み方がより難しくなってしまいます。
シフトは可能な限り早めに作成しましょう。
シフト配布後にスタッフから変更の申し出があることや、他店スタッフのヘルプ要請をすることなどを視野に入れて作成・配布することが大切です。
シフトの作成に使えるツール
シフト作成をより効率的に行うために、次に挙げるツールを活用するのもおすすめです。
より効率的にシフト作成ができるようになると、通常業務への負担も軽減できるようになります。
使いやすいツールやテンプレートがあると時間に余裕が生まれ、ケアレスミスなども防ぎやすくなるでしょう。
エクセル
シフト作成に使いやすいツールのひとつがエクセル。
操作方法になじみがある人も多く、扱い方に不明点があればインターネット上に解決策が多く出回っているため安心して使用できるのもメリットのひとつです。
ほとんどのパソコンにデフォルトでインストールされているため、追加でソフトを購入する手間がない点もおすすめ。
使用方法としてはとてもシンプルではありますが、人の目で確認・調整が必要なため時間がかかってしまう点と、関数知識が必要になる場合もある点がデメリットとして挙げられます。
シフト作成ツール
シフト作成ツールを活用するとエクセルよりも、より効率的に作成できます。
スタッフからの希望を募り、入力しておいた必要人数に合わせて自動作成してくれるため仮シフト作成までの手順をショートカットできる点がメリットです。
最終的な調整は必要となりますが、大きなサポート役となるのは間違いないでしょう。
効率的な作成ができる点では魅力的ではありますが、コストがかかってしまうのがデメリットとして挙げられます。
シフト管理機能がついた予約システム
予約システムのなかには、スタッフのシフト管理ができるものもあります。
予約状況、顧客情報も合わせて管理できるため業務の効率化にもつながるでしょう。
スタッフからの希望に沿ったシフト申請も一括で行える予約システムを活用すれば、希望申請の入力ミスや漏れなども軽減できるようになります。
業務の効率化をサポートする予約システムは、以下をぜひ参考にしてください。
シフトの組み方で売上の最大化につながる
人員の最適化の要となるのが、シフトの組み方です。
最適化が実現できると質の良い営業、そして売り上げの最大化にもつながります。
シフト作成において挙げられる課題の多くは簡単に解決できるものではありません。
しかし、日々のコミュニケーションや少しの工夫で解決につなげられる可能性もあります。
シフト作成時の負担を少しでも軽減できるように、スタッフが快適に働ける環境づくりができるように、本コラムで解説しているポイントを参考にしてみてください。
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