【2024年版】予約管理システム比較

オープンソースの予約システムとは?メリットや選び方を解説

公開日:2018.12.28 更新日:2024.03.08

予約システムを効果的に活用して、着実に業績を伸ばしている企業が増えています。

予約システムの導入で利用者の予約手続きがスムーズになりますし、ダブルブッキングなどの予約トラブルも回避できます。
そんな利便性の高い予約システムですが、初期費用・ランニングコストが削減できる無料のオープンソース型の予約システムが注目されています。

ここでは、オープンソースの予約システムの特徴や選び方について詳しく解説します。

目次

オープンソースは自社に適した予約システム作りにおすすめ

効率的な予約管理はもちろん、集客をはじめとするマーケティング戦略にも貢献するWEB予約システムは施設や店舗運営の必須アイテムとなりつつあります。

ただし、導入時の費用やランニングコストが気になるという個人事業や中小企業もいらっしゃることでしょう。

また、既存のシステムでは自社のニーズが満たせないというケースもあります。
そこで注目を集めているのがオープンソースの予約システムです。

オープンソースとは?

そもそもオープンソースとは、『公開されたソースコードを使ったソフトウェア』のことを総じてオープンソースと呼びます。

ソフトウェアはコンピュータ言語によって設計図(ソースコード)を構築されますが、このソースコードを無償で公開するのがオープンソースです。
誰もが無料でソフトウェアを利用できますし、自由にコピーしたりカスタマイズしたりすることもできます。

したがって、自社のニーズに応じて自在に造り治せるのがオープンスース型予約システムの魅力です。

オープンソースの予約システムを導入するメリット

導入するにあたって、まずオープンスースの予約システムの導入メリットを確認しておきましょう。

  • 自社ニーズに応じた予約フォームにカスタマイズできる
  • 導入コストを抑えることができる
  • 世界中のユーザーによってシステムの最適化が随時行われている

自社ニーズに応じた予約フォームにカスタマイズできる

オープンソースのソフトウェアは凡庸性を重視した設計のため、かなり自由にカスタマイズできるようになっています。
つまり、自社ニーズ(業務内容・業種・使い勝手など)に応じた予約システムの構築が可能です。

一方、市販の予約システムは提供されたサービス以外のカスタマイズが難しいのがデメリットといえます。

なお、使用中に不十分な点が生じた場合でも、リアルタイムでカスタマイズ(機能の追加など)して利便性を保てます。
オープンソース型のソフトウェアなので、第三者機関に監査や調査を依頼して予約システムの最適化を維持することも可能です。

導入コストを抑えることができる

利用時のライセンス費用がかからないので、予約システムの導入から運営まで低コスト化ができるのが大きなメリットです。

ただし、有料プラグインを使う場合やサーバー代などは別途費用が発生します

世界中のユーザーによってシステムの最適化が随時行われる

オープンスースのソフトウェアは、ユーザーによって脆弱性や不正プログラムが確認されやすいとされています。

不具合があったり技術の更新があったりすれば、世界中のユーザーによってスピーディに改良・修正がなされる状況が見られます。

なお、市販のシステムのように倒産などによるサービス終了のリスクが低く、長期的なメンテナンス確保で安定した利用が期待できます。

オープンソースの予約システムを導入するデメリット

  • マニュアルが充実していないので運用にプログラミングのノウハウが必要
  • 細やかなサポートが受けられないためバグが修正されないままで使用するケースがある

マニュアルが充実していないので運用にプログラミングのノウハウが必要

システムは凡庸タイプで提供されていますから、導入時に自社の営業内容や予約の方法に応じたカスタマイズが必要です。
そのためには、予約システムのプログラミングに関して、高い知識と経験のあるスタッフを用意しなければなりません。

また、予約システムは運用しながら利便性を確保していくことも重要です。
オープンソースのシステムには十分なマニュアルがないので、この点でも苦労するかもしれません。

細やかなサポートが受けられないためバグが修正されないままで使用するケースがある

予約システムを効果的に利用するには、随時システムのチェックやメンテナンスも行って、予約管理の最適化を講じる必要があります。

バグが生じていても修正できずにいるとか、使い勝手が悪いまま放置されているケースが少なくありません。
市販のシステムのような手厚いサポートがないため、オープンスース型予約システムは適切な運用の点で問題となりがちです。

オープンソースを使った予約システムを導入する際の注意点

誰もが無償で利用できるオープンソースの予約システムではありますが、導入にあたっては次の点にも注意してください。

OSSライセンス(オープンソースライセンス)に要注意

オープンソースのソフトウェアには利用許諾条件が明記されています。

これをオープンソースライセンスといって、利用に際しての許可事項や禁止事項などを記載してありますので、事前に確認しておくようにおすすめします。

具体的には、オープンソースでも正式にOSSと明記されていなければ、コピーしたり再配布したりすると著作権違反になる可能性があります。

また、カスタマイズによる利用では著作権表示をして、WEB上で運用する際には同様のライセンス形式を採らなければならない点にも注意してください。

その他にも利用許諾条件がそれぞれに設定されますので、事前に確認することが大切です。

プログラミング知識が求められる

デメリットのところでも述べましたが、オープンソースの予約システムには十分なマニュアルが期待できませんし、サポート体制も整っておりません。

市販のものであれば電話対応や訪問対応でしっかりとサポートしてくれますが、オープンソースの場合はそういった管理責任がありません。
不具合の発生や改善のための作業は、基本的に自社内で対応する必要があります。

オープンソースによる予約システムの導入が難しい・面倒だとお考えの方へ!

予約システムに不慣れな方、運用での煩わしさを避けたい方は、有料となりますが市販のクラウド型予約システムを導入すると良いかもしれません。

インストールからシステムの最適化、メンテナンスまでをしっかりサポートしてくれるので安心です。

オープンソースの予約システムを選ぶポイント

自社のニーズに適したオープンソースの予約システムを選ぶ際、まずライセンスの利用条件や料金体系(有料となるオプションの有無)などの確認が必要です。

その他にも、予約システムの実用性に関して以下のポイントをチェックするようにおすすめします。

予約日時設定

まず、自社サービスの予約タイプから予約カレンダーの機能を選ぶようにします。

イベント型の予約カレンダー

あらかじめ日時が設定されているイベントなどは、開催ごとに日時や場所、時間帯が異なるという特徴があります。
この場合はカレンダー型よりも、設定日時が入力できるイベント予約に特化したタイプを選ぶ方が良いでしょう。

電子チケットの発行やオンライン決済が自動でできる機能などがあるとより便利です。

向いているサービス:コンサート・セミナー・勉強会・料理教室・地域のボランティア活動など

タイムテーブル型の予約カレンダー

日単位予約(1日単位のサービス)や時間単位予約(30分、1時間などと時間を区切ったサービス)には、タイムテーブルがそのまま予約カレンダーに反映されるタイプが便利です。

時間単位予約

時間の設定が自在にできる予約システムで、レッスンなどの予約に向いています。
時間と担当者が指名できるとか、レッスンの振替予約ができる機能があると便利です。

向いているサービス:レストラン・美容院・学習塾・各種スクール・マッサージ・クリニックなど

日単位予約

1日単位でサービスを提供している業種に向いています。
グーグルカレンダーと連携すると、ユーザー側のスケジュール管理がラクになります。

向いているサービス:ホテルなどの観光業務・レンタカー・レンタルWI-FIなど

オープンソースの予約システムに必要となる機能

オープンソースの予約システムは、市販のものと比較すると機能的に不足がちです。
そこで、自社ニーズを満たす予約システムを立ち上げるためにどのような機能が必要となるかを確認しておきましょう。

なお候補を選ぶ際には、次の機能の有無をチェックしておくと役立ちます。

  • 予約人数設定:予約枠内に一度に受け付けられる人数野設定(上限設定の有無など)
  • カスタマイズ性:基礎機能と追加可能な機能について(キャンセル待ちや決済機能など)
  • デザイン:レイアウト変更・対応プログラミング言語の種類など
  • 外部サービスとの連携:Google・iCalendarカレンダー、Googleマップなど
  • 表示言語:日本語・英語・中国語など(多言語への対応の有無)
  • マルチデバイス対応の有無

セキュリティ体制の安全性

予約時には利用者の個人情報が登録されますので、何よりも個人情報の漏洩を防ぐ必要があります。

その点でオープンソースの予約システムは、世界中の多数の開発者(ユーザーを含む)が直接関与して、配布しデバッギングに参加しています。

市販のソフトウェアが閉鎖的な組織の中で対応しているのと比べ、セキュリティ対策では一定の安全性が確保できているものが多く見られます。

そこで予約システムを選ぶ際は、多くの開発者がかかわっているかどうか、そのオープンソースの開発状況やユーザーの評判をチェックするようにおすすめします。

導入実績の有無

オープンソースの予約システムは、市販のものと比較して導入時の設定や運営中の最適化に困難が生じやすいです。
そこでマニュアルやサポートの有無なども確認してから導入しましょう。

また、どのような業種・予約タイプにより多く利用されているかもネット検索しておくと安心です。

おすすめのオープンソース予約システム

ここまでオープンソースの予約システムの特徴や選び方を解説してきました。
上記のポイントを踏まえ、おすすめのオープンソース型の予約システムをいくつか挙げておきます。

WordPress(ワードプレス)のプラグインによる無料の予約システム

WEBサイトのオープンソースで代表的なのがWordPress(ワードプレス)ですが、WordPressのプラグイン機能を使って予約管理のシステムが可能です。

特徴

WordPressは記事を投稿・管理するためのオープンソースですが、「予約システムの機能」をプラグインすることで独自の予約管理が可能となります。

2022年現在では、数万(有料を含む)もの予約システム機能がリリースされていて、GoogleマップやGoogleカレンダーなどとの連携で利便性が高い予約システムが構築できます。

WordPressのプラグイン機能でできること

  • 時間割の設定:イベント対応・日単位・時間単位が自在に設定できる
  • 外部との連携:GoogleカレンダーやiCalendarカレンダー、Googleマップなど(会場マップの掲載・アクセス表示)
  • オンライン決済機能
  • メールの自動送信機能

予約システムのプラグイン例

Simple Booking


シンプルな時間割、カレンダー上で簡単に予約登録、自動返信メールなどのサポート機能が充実しています。

Events Manager


Googleマップで単発イベントに便利、HTMLなどでデザインの変更ができ、ターゲティングのための管理機能も備わっています。
有料版ではオンライン決済機能を選択可能。

Booking Package


Googleカレンダーを埋め込んで宿泊などの日単位予約に便利、日本語対応で使いやすく、直感的な操作で予約申し込みがラクにできます。
有料版はオンライン決済や複数予約のサービスが利用可能。

WordPressで作ったWEBサイトに埋め込める予約システム3選

制作したサイトへはプラグイン以外に、クラウド型予約システムサービスで作った予約システムを設置することもできます。
Webサイトに埋め込むものが多く、ドラッグ&ドロップの簡単操作で利便性がアップ。

なお、プラグインよりも初期設定が簡単なので、プログラミングの予備知識が乏しい場合でも利用しやすいです。

RESERVA(レゼルバ)のフリープラン


株式会社コントロールテクノロジーが提供する予約システムで、予約受付から決済、顧客管理、集客までを自動化するビジネス向上型の予約システムです。
こちらはWordPressで作成したホームページへの埋め込みが可能で、3分設定の簡単操作が魅力です。

機能 自動メール・メルマガ配信・顧客・会員管理(CRM)・マルチデバイス・オンライン決済・Zoom連携・多店舗管理・外国語対応・キャンセル待ち受付など
向いている業種 貸会議室・フィットネスクラブ・エステサロン・試写会・料理教室・各セミナー

Airリザーブのフリープラン


リクルートがリリースする予約システムで、アカウント作成だけで誰でも無料で利用できます。
初心者でも簡単に設定できるシステム、直感的な操作の画面レイアウトが好評です。

機能 月間予約件数が無制限・予約管理・顧客管理・予約確認メール・安全な情報通信(SSL)・スタッフの店舗権限登録など
向いている業種 マッサージやクリニック・レッスン・説明会・フィットネス・エステサロン・会議室・レンタルスペース・各イベントなど

OpenReaf(オープンリーフ)


OpenReafはオープンソースによるシステム構築で、低コストでの予約管理が可能です。
特に公共予約システムに適しています。

施設の利用者に分かりやすい空き状況の提供をし、WEB抽選申し込みや同施設のリピート申し込み、予約・取消もWEB上で簡単にできるといったメリットがあります。

なお、有料サービスとなりますが個別対応でカスタマイズ・テクニカルサポートも利用できます。

機能 抽選申込・繰り返し予約・マルチデバイス・画面上で簡単に施設の追加・削除など
向いている業種 自治体など公共団体の施設運営・複数の施設を同時に運営する組織や企業など

まとめ

ネット社会において、今やWEB完結の予約システムは必須アイテムとなりつつあります。

オンライン予約の導入には費用がかかると気になる方には、無料のオープンソース型予約システムは魅力的でしょう。

ただし、初期設定や最適化のためのメンテナンスには専門的なノウハウが必要ですので、事前の準備を徹底するようにおすすめします。